「もう全部捨てて、誰も知らない遠くへ行きたい」
借金に追い詰められ、精神が限界を迎えていたある日の深夜。
私がスマホで検索していたのは、以下のような危険なキーワードでした。
- 「夜逃げ 方法」
- 「住民票 移さない 生活」
- 「借金 踏み倒し 時効」
本気で人生をリセットしようとしていました。
そんな私が、なぜ「逃げること」を諦め、正面から「債務整理」という戦いを選んだのか。
その決断に至るまでの、最後の一晩の思考回路を記録します。
本気でシミュレーションした「夜逃げ」の現実
人間、追い詰められると極端な行動に走りたくなります。
しかし、実際に「夜逃げ」の準備を脳内でシミュレーションしてみると、そこには想像を絶する不便な現実が待っていました。
住み込みバイトと行方不明者届
私のスマホの検索履歴には「寮付き 求人 即日 現金手渡し」という履歴が残っています。
とにかく今の住所から消えて、どこかの工場や現場に潜り込もうとしていました。
しかし、よく調べると現実は甘くありません。
- 住民票を移さなければ、正規の医療(健康保険)が受けられない
- マイナンバーなどで行政には居場所がバレるリスクが高い
- 家族から「行方不明者届」を出されたら、警察に保護される
現代社会において、完全に「透明人間」になって生きることは不可能に近いと気づきました。
家族を捨てて一生コソコソ生きる覚悟があるか?
何より、「割に合うか?」という損得勘定です。
私の借金は約400万円。
大金ですが、一生を棒に振るほどの金額でしょうか?
この400万円から逃げるために、家族と縁を切り、友人を失い、一生コソコソと郵便受けや警察に怯えながら、日陰で生きていく。
これから先の40年、50年の人生を「逃亡者」として過ごすコストと、400万円を天秤にかけた時、
「ああ、割に合わないな」
と、急に冷めた自分がいました。
債務整理に対する「食わず嫌い」と誤解
では、なぜ私はもっと早く「債務整理」を選ばなかったのか。
それは、債務整理に対してとんでもない「誤解」と「恐怖」を持っていたからです。
「ブラックリスト=人生終了」という思い込み
ネット上の都市伝説を真に受けて、勝手に恐怖していました。
- 「戸籍にバツがつく」
- 「会社にバレてクビになる」
- 「選挙権がなくなる」
- 「一生ローンが組めない」
これらは全部嘘でした。
しかし当時の私は、「債務整理=社会的な死」だと思い込んでいたのです。
だからこそ、「夜逃げ」のほうがマシだとすら思っていました。
弁護士は「正義の味方」ではなく「敵」だと思っていた
もう一つの誤解は、弁護士に対するイメージです。
借金をしているようなダメ人間が行ったら、
「なんでこんなになるまで放っておいたんだ!」
と怒鳴られ、門前払いされると思っていました。
そもそも「お金がないから困っているのに、弁護士費用なんて払えるわけがない」という固定観念もありました。
(※実際は、相談無料・分割払いの事務所がほとんどでした)
転機となった「たった一つの計算式」
逃げるのも怖い。相談するのも怖い。
そんな板挟み状態の私を動かしたのは、感情ではなく「数字」でした。
今のペースで返済したら「完済は25年後」
あるサイトで「返済シミュレーション」をしてみたのです。
リボ払いのミニマム(最低)支払額で払い続けた場合、いつ終わるのか。
結果は……「完済予定:25年後」。
その時の利息総額は、元金の倍近くになっていました。
「あと25年も、この苦しみが続くのか?」
そう思った瞬間、比較対象が変わりました。
- 自力返済:25年苦しむ
- 債務整理(ブラックリスト):5年〜10年クレジットカードが作れないだけ
「あれ? ブラックリストの期間のほうが、圧倒的に短くないか?」
25年の地獄より、5年の不便。
どう考えても後者のほうがマシです。これが私の目が覚めた瞬間でした。
「逃げる」より「法的に整理する」方が楽かもしれない
夜逃げは「ハイリスク・ローリターン」です。失敗したら人生が終わります。
対して債務整理は、実は「ローリスク・ハイリターン」でした。
- 借金が減る、またはゼロになる(ハイリターン)
- 会社にもバレない、日常生活はほぼ変わらない(ローリスク)
- クレカが数年使えない(唯一のデメリット)
感情論を捨てて、ドライに損得勘定で考えたら、答えは明白でした。
「逃げるエネルギーがあるなら、法的に戦ったほうが圧倒的に楽だ」と。
まとめ
もし今、「夜逃げしたい」「死んでチャラにしたい」と考えている人がいたら、聞いてください。
夜逃げを計画するエネルギーがあるなら、その10分の1のエネルギーで「弁護士への相談予約」ができます。
私は逃げなくて本当によかった。
もしあの時逃げていたら、今ごろホームレスになっていたか、もっと最悪の結末を迎えていたでしょう。
法律は、悪人を裁くためだけでなく、真面目に返そうとして躓いてしまった人を助けるためにもあります。
どうか、「逃げる」という選択肢を「相談する」という選択肢に書き換えてください。
それが、あなたが人間らしい生活を取り戻すための、最短ルートです。
FAQ(よくある疑問)
Q:債務整理をすると戸籍に載りますか?
A:載りません。住民票にも載りませんし、免許証に書かれることもありません。
自己破産の場合のみ「官報」という国の機関紙に住所と名前が載りますが、普通の人は誰も見ていませんし、近所の人に配られるわけでもありません。私は家族以外、誰にもバレずに手続きを終えました。
Q:借金を踏み倒すことは考えましたか?
A:考えました(笑)。「時効」まで逃げ切れば払わなくていい、という情報も知っていました。
でも、時効が成立するまでの5年〜10年の間、「いつ督促が来るか」「いつ裁判を起こされるか」と怯え続ける精神的ストレスに耐えられる自信がありませんでした。
裁判を起こされたら時効はリセットされますし、そんな綱渡りをするより、法的に解決したほうが早くて確実でした。
