「ごめんなさい、このカード使えないみたいですって言われたんだけど……」
債務整理の手続きを開始して間もない頃、スーパーのレジに並んでいた妻から、パニック気味のLINEが送られてきました。
私がブラックリストに入ったことで、私が主契約者となり妻に渡していた「家族カード」も、ある日突然、強制停止されてしまったのです。
「もしかして、俺のせいで妻の信用情報までブラックリストにしてしまったのか!?」
と絶望し、慌てて弁護士に確認した「家族の信用情報の真実」と、その後の家計管理の立て直し方についてお話しします。
なぜ妻の持っているカードが止まったのか?
そもそも、なぜ私が債務整理をしただけで、妻が財布に入れていたクレジットカードまで使えなくなってしまったのでしょうか。
家族カードの「主契約者」は私(夫)だったから
クレジットカードの「家族カード」というものは、配偶者や子供の信用で作られているわけではありません。あくまで「主契約者である私(夫)の信用と利用枠」を、家族に分け与えて使わせているだけの仕組みです。
私が弁護士に債務整理を依頼し、カード会社に「受任通知」が届いた瞬間、私の名義で作られているすべてのカードは強制解約(利用停止)となります。
大元の木の根っこ(私の契約)が切られたのだから、そこから生えている枝(家族カード)も一斉に枯れて停止されるのは、当然の事実だったのです。
事前に伝えていなかったがゆえのレジでの大惨事
当時の私は「自分のカードが止まるだけだ」と勘違いしており、妻に家族カードが止まることを事前に伝えていませんでした。
そのため、毎日の夕食の買い出しはもちろん、家族カードに紐づけていた公共料金や携帯電話の引き落としまでが一斉にエラーを起こすという大惨事を引き起こしてしまいました。
もしこれから債務整理をされる方で、配偶者に家族カードを渡している場合は、「絶対にこの日から使えなくなる」という事前通告と準備が必須です。
一番の恐怖「配偶者までブラックリストになるの?」
カードが止まったこと以上に私が恐れたのは、「妻の信用情報にまで『異動(ブラック)』の傷をつけてしまったのではないか」ということでした。
弁護士の回答は「絶対に影響しません」
焦って弁護士の先生に電話で確認すると、あっさりとこう言われました。
「安心してください。信用情報機関(CICなど)のデータは、完全に個人単位で管理されています。ご主人が自己破産しようが任意整理しようが、奥様の信用情報には1ミリも傷はつきませんよ」
この言葉を聞いて、私は心の底から安堵しました。
日本では、親の借金や配偶者の借金が、家族の信用情報に連帯責任として波及するシステムにはなっていません。妻の信用情報は、今まで通り真っ白で綺麗な状態だったのです。
ただし「同居の家族」として審査に影響する例外
ただし、一つだけ落とし穴(例外)があります。
それは、配偶者自身が新しくクレジットカードを作る際、配偶者に「本人収入がない(専業主婦など)」場合です。
専業主婦がカードを作る場合、カード会社は「世帯主(夫)の収入や信用」を基準にして審査を行います。その際、夫がブラックリストに入っていると、「世帯主の信用が低い」と判断され、妻名義のカード審査にも落ちてしまう可能性があるのです。
家族カード停止後の、我が家の解決策
家族カードが使えなくなった我が家では、以下のようにして日々の家計管理(キャッシュレス決済)を立て直しました。
妻自身が「本人名義」のクレジットカードを作成
幸いなことに、妻には週に数回のパート収入がありました。
そこで、世帯主の収入に頼るのではなく、妻自身のパート収入を申告して、妻を「本会員」とするクレジットカードを新しく申し込んでもらいました。
結果は、あっさりと審査通過。
これが「夫が債務整理をしても、妻の信用情報は別である(影響しない)」という何よりの証明でした。以降、どうしてもクレジットカード決済が必要な家計の支払いは、妻のカードに集約しました。
夫婦の共通口座と「家族カード型デビットカード」の導入
また、日々の食費や日用品の買い物については、クレカの家族カードの代わりに「デビットカード」を活用しました。
夫婦共通の銀行口座(生活費を入れる口座)を作り、そこから即時引き落としされるデビットカードをそれぞれが持つようにしたのです。(※ネット銀行などでは、デビットカードの家族カードを発行できるところがあります)
これで、借金を増やすリスクをゼロに抑えつつ、今まで通りキャッシュレスで生活費をやり繰りできるようになりました。
まとめ
私が身をもって学んだのは、「債務整理をしても、家族の未来(信用)まで巻き添えにすることはない」という事実です。
ただし、あなたが契約者となっている「家族カード」は確実に使えなくなるため、手続き前の事前準備と、ご家族への誠実な説明は絶対に必要です。
家族に不便や心配をかけてしまった分、これからは自分の稼いだ「現金」でしっかりと家族を支えていく。その決意を新たにした出来事でした。
FAQ(よくある疑問)
Q:私が債務整理をすると、子供の奨学金に影響しますか?
A:子供自身が申し込む奨学金の審査そのものには影響しません。しかし、ブラックリストに入っている親は、奨学金の「連帯保証人」になることはできません。
そのため我が家の場合は、親戚に頼むのではなく、保証機関に一定の保証料を支払って連帯保証人の代わりをしてもらう「機関保証制度」を利用することで、無事に奨学金を借りることができました。
Q:妻名義の家族カードを私が持っている場合、そのカードは使えますか?
A:主契約者が妻(ブラックリストではない)であれば、その枝葉である「私が持っている家族カード」は、今まで通り使うことができました。
しかし、借金癖を根本から直すために、私は自ら妻にお願いして、自分が持っていた家族カードをハサミで切ってもらいました。自分の信用情報が回復するまでは、現金とデビットカードだけで生きると決めたからです。
