弁護士事務所への初訪問。怒られると思った先生の第一声に泣きそうになった体験談

予約当日、事務所が入っている雑居ビルの前を行ったり来たりしていた不審者は私です。

「やっぱり帰ろうかな」
「怒られるに決まってる」

心臓が口から飛び出しそうな緊張感の中、私は覚悟を決めてエレベーターに乗りました。
頭の中では、「なんでこんなになるまで放っておいたんだ!」と怒鳴られるシミュレーションが完了していました。

しかし、そこで待っていたのは、予想外の「言葉」と、張り詰めていた糸がプツンと切れて涙した時間でした。
今回は、借金持ちの私が初めて弁護士事務所のドアを叩いた日の様子を、包み隠さずレポートします。

ドラマの見すぎ? 想像と違った事務所の雰囲気

私が勝手に想像していたのは、重厚な木の扉と、革張りのソファがあるような威圧的な空間でした。
しかし、現実はもっと事務的で、あっけないものでした。

雑居ビルの冷たい廊下と、普通の会議室

エレベーターを降りると、そこは普通のオフィスでした。
入口には「〇〇法律事務所」というプレートがあるだけで、中に入るとパーテーションで区切られたシンプルな空間が広がっています。

受付の女性が出てきましたが、私の顔を見ても驚く様子も軽蔑する様子もありません。
あまりに事務的な対応に、逆に安心しました。

「ああ、私はここでは特別な罪人ではなく、ただの『お客さんの一人』なんだ」

そう思えたことで、少しだけ呼吸がしやすくなりました。

待合室で書いた「問診票」の手の震え

通されたのは、小さな個室(相談室)でした。
そこで最初に渡されたのは、病院の初診で書くような「相談票(問診票)」です。

  • 氏名・住所
  • 家族構成
  • 借入先と金額(概算)

ボールペンを走らせますが、「借入総額」の欄に数字を書く時、手が震えてうまく書けませんでした。
改めて自分の借金の多さを文字にすることで、事の重大さを突きつけられた気がしたのです。

ついに弁護士先生と対面。第一印象は…

記入を終えて待つこと数分。
「失礼します」という声と共に、ついに弁護士先生が入ってきました。

スーツを着た「普通のおじさん(お兄さん)」だった

私は勝手に、裁判官のような白髪で厳格な老人を想像していました。
しかし現れたのは、ごく普通のスーツを着た、物腰の柔らかい30代〜40代くらいの男性でした。

「今日はお暑い中、わざわざありがとうございます。迷いませんでしたか?」

私のガチガチに強張った顔を見てか、先生はまず天気の話や雑談から入ってくれました。
その声のトーンはどこまでも穏やかで、私を威圧する空気は1ミリもありませんでした。

怒られると身構えた私に向けられた言葉

「それでは、状況を拝見しますね」

先生は私が書いた問診票と、持参した借金一覧のメモに目を落としました。
ここだ。ここで「うわっ……」と引かれるか、ため息をつかれるんだ。私は身構えました。

借金一覧表を見た先生の反応

しかし、先生は淡々と電卓を叩くだけでした。

「なるほど、A社が50万で、B社が……。金利は15%ですね。ふむふむ」

そこに感情の色はありません。
まるで、外科医が患者の怪我の具合を確認しているような目でした。
「なんでこんな怪我したんだ!」と怒る医者がいないように、弁護士も「事実(数字)」だけを確認していました。

「よく相談に来てくれましたね」

一通り数字を確認した後、先生は顔を上げ、私の目をまっすぐ見てこう言いました。

「〇〇さん。怖かったでしょう。よく勇気を出して相談に来てくれましたね」

え?
怒られるんじゃないの?

「一人で抱え込むのは辛かったと思います。でも、もう大丈夫ですよ」

その言葉を聞いた瞬間、自分でも驚くほどボロボロと涙が出てきました。
怒られるどころか、私の行動(相談に来たこと)を「肯定」してくれたのです。

「これなら十分、解決できますよ」

先生のその一言で、私の目の前にあった分厚い壁が崩れ落ちた気がしました。

提示された「治療方針(解決策)」

涙を拭った後、具体的な話になりました。
ここからは完全に「治療方針の説明」です。

私におすすめされたのは「任意整理」だった

私はてっきり「自己破産しかない」と思い込んでいました。
しかし、先生が提案したのは「任意整理」という方法でした。

「〇〇さんの収入と借金額なら、自己破産までしなくても、将来の利息をカットすれば返済可能です」

  • 今のままだと:完済まで25年、総支払額は700万以上
  • 任意整理なら:完済まで5年、総支払額は400万(元金のみ)

今後の返済計画を図解してもらい、初めて未来が見えた

先生はホワイトボードを使って、図解してくれました。
それまで「終わりのないトンネル」に見えていた借金が、「あと60回、毎月これだけ払えば確実に終わるゴール」に変わりました。

「これなら、払っていけそうですか?」
「はい……! これなら頑張れます」

私は何度も頷きました。

まとめ

あの日、事務所に行く前の自分に伝えたいです。
「ビビらなくていいぞ。そこは裁判所じゃなくて病院みたいな場所だぞ」と。

弁護士は、「正義のヒーロー」でも「怖い裁判官」でもありませんでした。
借金という病気を治し、生活を再建させてくれる「専門医」でした。

病気になった時、医者に怒られるのを怖がって病院に行かない人はいませんよね?
借金も同じです。恥ずかしがらずに、傷口を早く見せたほうが、傷は浅く済みます。

相談を終えて事務所を出た時、見上げた空が驚くほど青く見えたのを、私は一生忘れないと思います。

FAQ(よくある疑問)

Q:相談時の服装はスーツで行くべきですか?

A:私は私服(襟付きのシャツにチノパン程度のオフィスカジュアル)で行きましたが、全く問題ありませんでした。
先生も「リラックスしてお話しください」と言ってくれましたし、Tシャツやジーパンの人も見かけました。清潔感があれば何でも大丈夫だと思います。

Q:相談料は本当に無料でしたか?

A:はい、1時間みっちり話を聞いてもらい、シミュレーションまでしてもらいましたが、完全に0円でした。
その場で契約を迫られることもなく、「一度持ち帰って、奥様と相談してから決めてください」と言ってくれました。本当にリスクは何もありませんでした。